米国株投資で企業の見やすい方法はありますか?
コツとかあったら知っておきたいです。
個別株投資を行う前に最初に企業を11のセクター(分野)について知っておくと今自分の投資したい企業が
・【景気がいい=トレンド】なのか?
・ボラティリティ(経済に影響を受けて株価が変動)が大きいのか?
・セクターは景気でどのように循環変化していくのか?
ということがわかりますので
投資のタイミングと短期投資・中期投資・長期投資のどれにするか?
を決めることができます。
この記事ではセクターについて、セクターローテーション(景気循環)について解説します。
投資の基礎知識として役立ててもらえますとうれしいです。
米国個別株投資では様々なセクターにわかれています
この記事では各セクターと景気の反応について解説します
- 米国個別株のセクターを知ることで、今自分が投資しようとしているセクターが投資するべきなのか考えるようになる
- 各セクターのローテーションを知り、景気の循環とリスクを考えられるようになりリスクを避けることが出来る
- 各セクターのETFなどで分散投資という手もあるなどの投資の選択肢を解説
11のセクターの特徴を知ることで自分の投資基準を明確にできる
たくさんの業種がありますが
大きくわけると11の分野に分かれています。
セクターごとの株価の上下で今の景気のトレンドや転換を見ます。
景気には循環があります。
その景気の循環を知るということはをセクターの循環を知ることでもあります。
11のセクターとその中身の特徴を知ることが自分のやりたい投資になるはずです。
- 自分が投資する業種の資産や資金の流れがわかる
- どこに投資すればいいのかの判断になる
すごい企業数に見えるけど11種類に分けてみれば確かに見やすいですね
セクターの種類と概要
セクターの内訳です。
各セクターには投資に関係なくても誰でも知っている企業がいます。
結論、過去の実績でいけば景気が落ち込んでも影響が少ない公益・生活必需品・通信セクターが大崩れしにくいという感じです。
逆に景気がいい時はテクノロジーが敏感に上がります。
2021年はまさにそのとおりでしたね。
ですが、これからの未来は絶対に安心というわけではないので見極める必要があります。
トレンドには資金が集まります。
2021年はテクノロジーや成長企業(グロース)がトレンド。
株価の上昇益を狙う投資が良かったです。
2022年はテクノロジーとグロースから安定、割安(バリュー)へトレンドが変わろうとしています。
配当金などを狙う投資が良くなる傾向になろうとしています。
しかし、決算が良いのにセクター的にトレンドじゃないと株価が上がらなかったり、安かったりすることもあるので決算には目を通すことをおすすめします。注目が集まらないと割安株の可能性がある。
- 一般消費財(CONSUMMER CYCLICAL)・・・アマゾン、テスラ、ウォルマート
- 資本財(INDUSTRIALS)・・・ハネウェル、ユニオンパシフィック、ボーイング、3M
- 素材(MATERIALS)・・・エアープロダクトアンドケミカルズ、シャーウィン、ニューモント
- エネルギー(ENERGY)・・・エクソンモービル、シェブロン パイオニアナショナルリソーシズ
- 公益(UTILITIES)・・・サザン、デュークエナジー、ドミニオンエナジー
- 生活必需品(CONSUMMER DEFENSIVE)・・・プロクター&ギャンブルズ コカ・コーラ、ウォルマート、ユニリーバ、キンバリークラーク
- ヘルスケア(HEALTH CARE)・・・ジョンソン&ジョンソン、ユナイテッドヘルス、ファイザー、メルク、アッヴィ
- 通信サービス(COMMUNICATION SERVICES)・・・フェイスブック、アルファベット、ベライゾン、ウォルトディズニー
- 金融(FINANCIAL)・・・ブラックロック、バンクオブアメリカ、JPモルガン
- テクノロジー(TECHNOLOGY)・・・アップル、マイクロソフト、AMD、エヌビディア
- 不動産(REAL ESTATE)・・・アメリカンタワー パブリックストレージ、エクイティレジデンシャル
セクターは11に分類されていることがわかりました。
特徴と景気への影響が気になりますね
セクターによって景気への影響が出ますので、どういうものなのか次で見てみましょう。
セクター別の特徴
ではそのセクターの中身はどうなっているのしょう。
一つずつ解説していきます。
一般消費財・・・普段私たちが一般に使用している自動車、服などのアパレル、遊ぶ時のレジャー用品などと外食するときのレストランや泊まるためのホテルといった普段から身近に受けるサービスを提供してくれている企業が入っている業種になります。
一般消費者への影響があり景気に敏感ですので景気への影響大きいです。知っている企業も多いので業績を勉強して少しだけ投資して景気への影響を感じてみるのもいいかもしれません。
小売、製造業は私たちの生活でも身近な存在なんですね
資本財・・・企業に建設機械という機械設備、鉄道関係や航空機など製造・販売するサービスを提供する企業が属する業種です。
企業が設備するものですので、相手企業が景気悪いと悪くなるのでいい時も悪い時も景気への影響特大です。
相手企業がたくさん設備への投資をしてくれれば売り上げが増え株価も上がります。設備は安いものではないので景気の良し悪しが警戒ポイントです。
私たちの生活を支える輸送、鉄道、建設などの企業の景気がそのまま反映されるんですね。
素材・・・原材料から原料や材料を作り出しそれを使う企業にサービスを提供する企業が属する業種です。
原材料は絶対使うものですが、仕入れる量を減らされるなどするので景気への影響大です。
原料などは先物取引で取り扱われるので業績の良しあしと、他のリスクも絡んできます。
原材料(自動車の塗料など)自動車の生産状況が多いとと良かったり卸売先の業績に左右されますね。
景気が好況時上がるセクタ- | 景気の影響 | 株価の変動 | 初心者 |
一般消費財 | 大 | 大きい | 銘柄を比較して |
資本財 | 大 | 大きい | 銘柄を比較して |
素材 | 大 | 大きい | × |
銘柄によるというのはやみくもに買うのではなく競合企業などの業績なども勉強した方がいいという意味です。
エネルギー・・・原油・ガスを製造・販売する企業が属する業種
今の世の中では原油・ガスを使わないわけにはいかないので景気が悪い時でも影響が少ないです。
ですが、原油取引などの影響が大きいので株価の変動が大きくなります。
最近の動向では、コロナからの急激な経済回復需要で上昇で原油価格は上昇しています。
長期的にはSDGsにともなう二酸化炭素削減により需要が減り価格が下がるのではという見方もされています。
原油の先物取引などでの状況によって左右されるので初心者には難しい感じですね。
コロナやウクライナ情勢でかなり変動がありますね。
日々の変動が多いので常に監視していないとならないことから気持ち的にも大変です。
景気が後退期になると上がるセクター | 景気への影響 | 株価の変動 | 初心者 |
エネルギー | 小 | 大きい | × |
公益・・・電気・ガス・水道の供給をサービスする企業が属する業種
ライフラインでもあるので景気へ影響も低く株価の変動も安定しています。
しかし、過去は暴落が低く済んでいてもさまざまな要因が絡んで暴落するかもしれないので経済の動向はみておいたほうがいいです。
公益は比較的安定していて配当金も良さそうです。
でも、他の状況で関係して業績悪化になることもあるから気を付けないとね。
他の業種が絡んで複雑に景気に影響をもたらすときは動向をみまもって慎重に見ていきましょう
生活必需品・・・一般消費財と違い私たちの生活に欠かせない必需品・日用品を提供する企業が属する業種
生活必需品なので需要の落ち込みも少ないので景気の影響を受けにくいです。
株価の変動も少ないです。
個別銘柄投資初心者が最初に始めたいセクターだと思います。
生活必需品は私たちも使っている商品が結構ありますね。
なくてはならないものは安定しています。
生活必需品セクターについて深く知ることで安定供給される投資先を見つけましょう。
もっとも変動が少なく安定なセクターだと思います
ヘルスケア・・・医療機器や医療品などの健康維持・管理時のサービスを提供する企業が属する業種
医療機器や医療品も安定した供給が望まれるものなので景気への影響は少ないと言えますが、株価の変動の要因が医療品の特許申請や期限切れや企業買収などリスクが2つも3つもあるので投資するのであれば企業の分析をしましょう。
医療は薬やワクチンの特許が取れたりするときはいいですが、特許が切れたり他の影響を受ける可能性もあるんですね。
ニュースをチェックしたほうがいいですね。
通信サービス・・・ブロードバンドや5Gなどの通信システムを提供する企業が属する業種
今はインターネットが必要とされていますしこれからも必要とされる業種です。
景気への影響は少ないです。
株価の変動なので暴落時の落ち込みがS&P500などと比べてもやや緩やかでリスクを抑えたい初心者にも購入しやすい業種です。
グーグルやベライゾンなど名だたる資産価値が多い企業のセクターですね。通信業界はこの先も発展しそうですね。
不況時にも安定している セクター | 景気への影響 | 株価の変動 | 初心者 |
公益 | 小 | 少ない | ◎ |
生活必需品 | 小 | 少ない | ◎ |
ヘルスケア | 中 | 普通 | 銘柄による |
通信サービス | 小 | 少ない | 〇 |
株価の変動が少なく暴落に強いセクターが初心者にはいいですね。
ただ、ヘルスケアは企業の業績と他の政策や特許などの絡みも出るので企業の情報はチェックを欠かせませんね。
金融・・・保険、証券、資産運用などのお金を扱う銀行や保険会社、資産運用会社が属する企業
銀行の株価が上がるということはお金が回っているので景気が上向きになってきていることがわかります。
お金の動きが大きいのと株価の変動も大きいです。
エネルギーが好調だと景気後退期で金融が好調だと景気が良くなってきているという見方が出来ます。
最近はコロナの影響で急回復もありインフレによる原油の上昇もあったりするので、すべてがその通りというわけではないようです。
金融セクターの出来が景気の変わり目ですね。
情報技術(テクノロジー)・・・半導体製造、ソフトウェア開発などコンピュータのシステム、製品開発関連企業が属する業種
お金が世の中に回りだすと投資家の企業への成長が期待されるため期待値(PER) も織り込んで株価が上昇します。
半導体やコンピュータソフト、システム関連は株価の変動も大きく景気の影響も受けやすくなっています。
ソフトウェア開発や半導体業界は資産額も大きいし資金の流動性もあって忙しいかもですね
システムを作り出すIT企業や、コンピューターに必要な半導体があります。
半導体はこれからの時代には重宝されています。
不動産・・・不動産企業や一般の方々からお金を集めて不動産に投資するREIT(リート)と呼ばれる投資信託が属する業種
景気に左右されて回復期に上がり後退期には落ち込みます。
金利の上げ下げや、物価の上げ下げにも影響されます。
不動産はより知識が必要とされますので投資に慣れてきてからのほうがいいでしょう。
同じ投資でも不動産となるとまた違う知識を必要としそうですね。
景気回復時に上がる セクター | 景気への影響 | 株価の変動 | 初心者 |
金融 | 大 | 大きい | × |
テクノロジー | 大 | 大きい | 銘柄による |
不動産 | 大 | 景気や他の指標にもよる | × |
株価の変動が大きいので知識と経験が必要になりますので初心者はあまり無理をしなくてもいいのかなという感じです。
テクノロジーも期待値が適正なのか業績を調べたりしないと変動についていけません。
株価変動が大きいのは避ける。
リスクが2つ3つあるものは避ける。
景気への影響を受けやすいセクターより最初は暴落に耐性があるセクターで守りを固める。
セクターETF
ETFって何でしたっけ?
ETFは指数に連動するパフォーマンスを目指す上場信託の詰め合わせパックです。
各セクターごとに銘柄を集めたETFもあります。
個別銘柄がわからない方は銘柄の分散が効いているし、何より組み入れ銘柄も時価総額が多い上位の銘柄なのでバランスを保
ってくれます。
銘柄 | 経費率 | 直近配当利回り | 1年リターン | 5年リターン |
VCR(一般消費財) | 0.10% | 0.15% | 63.18% | 21.36% |
VIS(資本財) | 0.10% | 1.03% | 65.34% | 15.52% |
VAW(素材) | 0.10% | 1.18% | 70.01% | 15.48% |
VDE(エネルギー) | 0.10% | 3.79% | -1.31% | 48.51% |
VPU(公益事業) | 0.10% | 2.65% | 21.43% | 9.93% |
VDC(生活必需品) | 0.10% | 2.07% | 30.57% | 9.55% |
VOX(通信サービス) | 0.10% | 0.59% | 48.60% | 10.50% |
VHT(ヘルスケア) | 0.10% | 1.06% | 27.80% | 15.31% |
VFH(金融) | 0.10% | 1.65% | 75.53% | 16.65% |
VGT(テクノロジー) | 0.10% | 0.69% | 44.35% | 29.57% |
セクターのローテーションで景気循環を知る
景気の循環についても知っておきたいです
各セクターには四季で言う春夏秋冬のように好況→後退→低迷(不況)→回復→好況といった各セクターがあてはまる位置があります。
景気はこれだけで決まるものでもなく米国の政策や社会情勢などの絡みもあり、すべてが当てはまるとは限りません。
好況の時に上がりやすい業種、不況の時に耐えられる業種があることを確認しておましょう。
投資をするには市場全体の資金の流れを日ごろから確認することが大切なのですね。
- 目線では短期毎日のセクターでの上がり下がりに気を付ける
- 中期長期ではテーパリング、FOMCでの発言、インフレや決算などさまざまなニュースに耳を傾けどのように影響するのか?株価を見てチェックしておく
- できれば、各セクターの銘柄を1~2株位保有して様子を見ておく
セクターとローテーションを覚えて自分にあった投資をしよう
セクターの数と種類、セクターETF
- セクターは11に分類されている。
- セクターローテーションで11セクターが景気のどの位置にあてはまるか確認をする。
知識をどう活かすか?
- セクターローテーションを知ることで米国の景気がいいのか悪いのかという状況をみることができる。
- エネルギーと不動産セクターは日々の変動とそれ以外のことも影響が大きすぎるので最初はやめておく。
それ以外のセクターはよく確認して投資する。 - 景気後退はエネルギーが上昇、景気回復は金融が上昇を目安にする。
- 不景気になると株式から金や債券に資金が移動する。
2021年はFRBが債券購入しているので金利が上がりにくい状況です(1.25~1.30ぐらい)
消費者物価指数や小売売上などインフレが安定してきたら金融政策緩和(テーパリング)が開始されるとのことです
2022年3月でテーパリング完了いよいよ0.25%ずつ利上げ、3回になるか4回になるかで市場のバランスシートの縮小に差が出るようです。
日本市場、米国市場問わずセクターとそのローテーションで
市場のサイクルを覚えられると経済の勉強にもすごく役立ちますね
以上です。
ご覧いただきありがとうございました。