米国株【基礎知識】初心者が覚える用語と長期保有銘柄選びのコツを解説

米国株は何から学んでいけばいいのか?

株式市場はとても範囲が広く経済について知る必要があります。

そして日々経済の期待や懸念で株価は変動します。

投資初心者が個別銘柄を買いたいときに覚えておきたい用語と銘柄選定時の見方について解説します。

ポイントは長期投資、株価の変動が激しくない銘柄を見つけたいときに役立てられることです。

まずはじっくり最低限の用語と見方を身につけていきましょう。

もくじ

長期保有目的の銘柄を保有して資産を増やそう

まずは市場に慣れて経験を積むのが1番です。

1株の少額投資でも資産の上がり下がりを体感できるからです。

1株買ってみて買った銘柄がどのような動きをするのか勉強することで株式市場のメンタルを鍛えます。

1株ならお財布にダメージも少ないので誰でもできます。

一般的に株は決算前に大きく上げたり決算後に大きく下げたり、teslaのような人気銘柄や取引量が多い銘柄はとそれなりに活発に株価が売買されます。

株式投資には普段から景気に対して敏感で変動が大きいセクターの銘柄を景気敏感株(シクリカル株)といい、

景気に敏感に反応するセクターは素材、資本財、一般消費財です。

景気がいい時に活躍するのですが落ち着き始めると需要が乏しくなってくるという性質があります。

それではなぜ投資で資産を増やせるのか解説いたします。

>>景気敏感株について

資産が増えている理由は投資時間軸が長いほどリスクを分散しているから

資産増加

最初にも書きましたが、投資活動でいちばんの味方は時間です。

時間軸を長くとることが成功により近づく方法と言えます。

ですが、人は先の長い利益より身近な小さい利益を優先してしまう性質がありますが、行動経済学では【現在バイアス】といい、遠い未来の価値より近い現在の価値を選んでしまう偏った考えのことです。

投資を行うことはこのような心理において、メンタルの部分でも鍛えられ自分の人としての成長にもつながります。

長い年月の米国市場は何度も暴落を耐えながら成長を果たしてきました。

出典:Trading viewチャート

・世界恐慌のきっかけとなった高度経済成長後の1929年のウォール街大暴落

・経済楽観的な市場だったが1日で大量の売りによる株価の大暴落をおこした1987年のブラックマンデー

・2008年にはサブプライムローンと呼ばれる返済能力の低い融資基準を満たさない借り手を対象とした住宅ローンの担保証券が格下げされたことが証券の価格下落につながり、金融機関の財務悪化になり投資銀行のリーマンブラザーズが破綻し経済が冷え込んだリーマンショック

・2020年のコロナウィルスによる経済の循環停止による株価の暴落

それらの暴落を乗り越えて米国株市場は過去最高の値を記録し続けています。

歴史が保証するものではありあせんが、米国は人口増加、経済の発展、研究開発などの理由により市場はさらに時間をかけて発展していくものと見込まれているのです。

長期保有銘柄選びのために最初に覚えておきたい用語を解説

株式を購入するには株価と株価の相場を知らなければいけないですよね。

ここでは長期間保有を目的としていますので、目先のチャートではなく決算の指標を見るために必要な用語を解説します。

  1. EPS
  2. PER
  3. BPS
  4. PBR
  5. ROE
  6. ROA
  7. 配当性向
  8. 配当利回り

1.EPS(1株あたり当期純利益)

1株当たりの当期純利益のことで会社の収益性を見るために使われます。

前期や前年同期と比べてEPSが高いほど収益性、成長性があります

一定期間のEPSを見る事にも使われるので現在だけでなく次期のEPSなど予測にも使われます。

純利益が多くなると株価に対しての利益も増えます。

1株当たり当期純利益=当期純利益÷発行株数(自己株は含まない)

例:当期純利益100万ドル、発行株数10万株

EPS=100万ドル(当期純利益)÷10万株(発行株数)=10ドル(EPS)

2.PER(株価純利益率)

PERは株価と1株当たりの純利益を割って率であらわしたもので、株価がEPSの何倍になっているかをあらわすのがPERです。

PERが高いと株価が割高で低いと割安と判断されます

割安<PER平均値<割高

適正なPERの平均値はテクノロジーや一般消費財やヘルスケアなど分野によって違うのでよく確認してから高いのか?低いのか?を判断します。

PERが高いのは人気があって期待値が高いとも言えます。

PER=株価÷EPS(1株当たり利益)

例:テスラ(TSLA)は2021年10月決算予測値でPER248倍となっていました。前期はEPS0.74に対して株価が1000ドルになったため約1600倍にもなっていました。

248倍(PER) =1044ドル(株価)÷4.11(EPS)

PERは期待されているときはすごい上昇しますが、何かの懸念材料が出たとき(半導体不足などや、他の人気銘柄が出たときの資金の流動時)に真っ先に売られたり、利確されて暴落するので注意が必要になります。

3.BPS(1株あたり純資産)

BPSは1株あたりの会社の純資産(負債抜きの会社の資産)のことで経営状態が確認できます

前期や前年同期と比べ、高いほど会社の純資産が多いことになり保有しているお金が多いことを意味します

BPS=純資産÷発行株式数(自己株含まない)

例:純資産1億ドル、発行株式数100万株

BPS=1億ドル(純資産)÷100万(発行株数)=100ドル(BPS)

4.PBR(株価純資産倍率)

PBRは株価が1株当たりの純資産を倍率であらわしたもので、株価がBPSの何倍になっているかをあらわすのがPBRです。

純資産倍率といいます。

PBRが1以下は割安で1を超えていくと割高となっていきます。

目安: 割安<PBR1<割高

PBR=株価÷BPS(1株あたり純資産)

例:株価200ドル、BPS(1株あたり純資産)100ドル

2(PBR)=200ドル(株価)÷100ドル(BPS)

5.ROE(自己資本利益率)

ROEは自己資本利益率です。

会社が株式で得た資本金を自己資本といいます。

会社が自己資本で当期の純利益でどれだけ利益効率がいいのかを知りたいときにつかわれます。

10%を超えると収益力が高いとみられます

9.自己資本比率との関係があるので高ければいいっていうものでもありあせん。

これもセクター(分野)によってさまざまなのでセクターの平均を知ることからです。

ROE=税引き後当期純利益÷自己資本金(純資産) ×100

例:税引き後当期純利益が10億ドル、自己資本金が50億ドル

ROE=10億ドル(税引き後当期純利益)÷50億ドル(自己資本金)×100=10÷50×100=20%(ROE)

6.ROA(総資本利益率)

ROAは当期の純利益を自己資本+他人資本(負債)も合わせた総資産で割った利益率のことを言います。

会社の資産当たりの純利益を見ることで会社の収益効率を見る指標になっています。

資産に収益を生む力が大きいかを知ることができ、一般にROAは5%を超えると良いとされています。

ROA=税引き後当期純利益÷総資産×100

例:税引き後当期純利益100万ドル 総資産10億ドル

ROA=100万ドル(税引き後当期純利益)÷1億ドル(総資産)×100=1%(ROA)

7.Dividend Payout Raito(配当性向)

配当性向は企業が純利益を株主に還元している割合を見る指標です。

最終的に純利益は余剰金となって繰り越して会社に蓄えるのか、株主に配当金として還元するのかになります。

設備を増やす必要のないところなどは配当性向(配当重視)が高くなったり、セクターによっても違います。

配当性向=配当金総額÷税引き後当期純利益×100

例:配当金総額100万ドル、税引き後当期純利益500万ドル

※当期の配当÷EPS(1株あたり収益)でもだせます。

配当性向=100万ドル÷500万ドル(税引き後当期純利益)×100=0.2×100=20%(配当性向)

8.Dividend Yield(配当利回り)

配当利回りというのは株価に対しての配当金の割合を見る指標となっています。

例:配当金5ドル/株当たり、株価100ドル

配当利回り=5ドル(1株当たりの純資産÷100(株価)ドル×100=0.05×100=5%(配当利回り)

9.Equity Raito(自己資本比率)

企業の財務の安全性を見ることができます。

S&P500の平均は30%程度といわれています。

自己資本が多いほうが借金が少なくて財務健全と思いますよねが、どうして30%程度なのかというと米国企業はROE(自己資本利益率)を重視していて、会社のお金をいかに効率よく使うかによって企業の成長性を考えているからです。

少ない資本で収益を上げられればROEは上がります。

ですが、自己資本比率が下がります。

積極的にお金を借りて収益を上げていくとROEは上がりますが自己資本比率は下がります。
(投資家からは借金が多いと思われます。)
逆に低金利なのに自己資本を残して収益を上げに行かないとROEは下がりますが、自己資本比率は上がります。
(投資家からはお金があるのに積極性がないと思われます。)

自己資本比率=自己資本÷総資本

例:自己資本比率20%=(自己資本2億ドル÷総資本10億ドル)×100

長期投資に向いている銘柄の選び方

最低限の用語を覚えたら実際に企業決算を見てみましょう。

PDFでは日本語変換できませんが、クロームでアクセスすれば日本語変換できるので読めるようになります。

参考として10年長期保有を目的とした銘柄を参考までに見てみましょう。

わからない場合はYahooFinace、Kabutan、Investing、Bloomberg、各証券会社HP

などでも見ることができます。

銘柄選びの見方の参考にしてみてください。

例:マイクロソフト(MSFT)

取引所はナスダックでセクターはテクノロジーです。

2021年度の決算を見てみます。

  • 2021年度は収益が22%増加
  • 営業利益は27%増加
  • 純利益が48%(公正と認められた会計原則GAAP)
  • 希薄化後EPS2.71ドルで49%増加
時価総額2.49兆ドル
2021年初リターン49%
5年リターン(2017.1.6 62.84ドル)2021.11.2時点 526%↗
1.EPS(1株当たりの当期純利益)2021.6(2021年度決算時) 8.05ドル
2.PER(株価が1株あたりの当期純利益の何倍になっているのか)41倍
3.BPS(1株当たりの純資産)18.9ドル
4.PBR(株価が1株あたりの純資産の何倍になっているか)17.5倍
5.ROE(税引き後の当期純利益を自己資本で割って
自己資本でどれだけ効率よく稼げているか)15~20%以上だととてもいい
47%
6.ROA(税引き後の当期純利益を総資産で割って
会社の資産で効率よく稼げているかをみる)5%以上だととてもいい
18.36%
7.配当利回り(株価から配当に対する割合)0.7%(2021.3.6.9 0.56)
(2021.12 0.62↗)
2.30
8.配当性向(純利益から株主に配当している割合) 27%
9.自己資本比率(負債と純資産の比率)低いと借金が少ない42.5%
マイクロソフト2021年度決算より

ROEと自己資本比率の関係は偏りがなくどちらも高いので自己資本もある程度あり、さらには自己資本をうまく使って収益にもつなげているということがわかります。

その収益を上げる主要なサービスは

  • 生産性ビジネスプロセス
    オフィスコマーシャル製品(Office365、Linkedln)とクラウド
  • インテリジェントクラウド
    サーバー製品(Azure)とクラウド、サポートサービス
  • パーソナルコンピューティング
    Windowsコマーシャル、ゲーム機(Xbox)、コンテンツサービス
  • 他広告収益

となっています。

このような安定した企業を見つけて保有することが堅実な投資になります。

失敗しないために必要な3つのこと

投資はすべて自分の判断で行うため自己責任になります。

少しでも失敗しないために必要なことを3つ解説します。

1.余剰資金を確保する。

自宅を会社に置き換えて考えると会社の余剰資金は家庭で言うお小遣いになります。

資金なくして投資は出来ません。

もみあげさんの著書にはこう記されています。

20歳の現金比率は20%、80%は株式などの資産

30歳の現金比率は30%、70%は資産

40歳の現金比率は40%、60%は資産

引用:もみあげ流米国株投資講座
¥1,738 (2021/10/17 21:54時点 | Amazon調べ)

2.個別株は自分のルールで保有する。

買った銘柄が自分の思ったように上がらないと判断したら損切りするのもひとつの手であるそうです。

いまは 株高なので反発がありますが、これからテーパリングが始まると株式市場からビットコインや債券市場に資金抜けして今まで通りにはならないこともあるかもしれません。

そのときに塩漬け状態にならないためには勝率が悪くても大きく勝って小さく負けるようにしておくこともスキルの一つです。

3.気になる企業やセクター(分野)の勉強をして業界の知識や情報を得る。

投資をするにあたり買いたい銘柄の決算情報などの情報を見つけて学ぶと安心感は増えますし勉強できるので投資が楽しくなります。

長期保有するのであれば、企業の売っているものやこれからどのようなことに取り組んでいくのかも見て自分で理解することが必要です。

まとめ

投資を始める決心はつきましたか?

考え方によってはギャンブルでもありますし、理解して始めることが投資の第一歩でもあります。

  • 余剰資金で少額で投資をして投資に慣れる
  • 市場の勉強をして自分の目的にあった投資をする(デイトレード~長期保有、テクニカル分析~ファンダメンタルズ分析、投資信託~個別株~そのほかのコモディティ)
  • 経済ニュースを見る習慣をつける

無理のない判断で明るい未来を気づきましょう。

ご覧いただきありがとうございました。

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